減税シリーズ② ~国がやらなきゃ、地方がやる!

税金問題

減税による減収分の穴埋め策として

古今東西、減税を断行しようとしたら、必ず出てくるテーマとしての穴埋め論が挙げられます。
減税消極論者はこれを盾にして、「後先顧みない勝手な議論をもてあそぶな」と言い、減税論者を無責任呼ばわりします。
私にすれば、これは枝葉末節な思考回路と言っても過言ではなく、財源について不安視するならば、その穴埋めをどうすべきかを考案し、実施すべきと言いたいです。

今まで減税を行った場合、その穴埋め策として、
①行政コストの削減、
②補助金の見直しや統廃合、
③公共事業の民間委託、
④公共施設の効率的な運用、
⑤公共財の売却などの手段が採られてきました。

「お金がなければ知恵を出せ!」、以下、そんな思いで順次触れていきしたいと思います。

収入が減れば何を為すべきか

これは国や自治体に限ったことではなく、私たち家計おいても同様なことが言えます。
収入および支出を考える場合、「入りを諮って出ずるを制する」はまさに基本原則ですので、入りが減ることとなれば、それに見合うだけの収入をどこからか持ってこなければなりませんし、あるいは、出を削るしかありません。
収入増を別な増税で賄うなんて本末転倒ですので、税金以外のお金を調達する必要性が出てきます。

また、出をいかに少なくし削っていくべきかについても、前述したような①や②、もしくは④の手法を用いるべきと考えます。
端的に申し上げれば、収入減を民間資金の調達により穴埋めすること、そして支出カットも民間手法を採用することが求められます。

ファシリティマネジメントの導入

ちょっと長ったらしい横文字ですが、ファシリティマネジメント(以下、FMと呼ぶ)とは、公共施設や民間施設の「運営、維持管理、再配置、および廃止」などを戦略的に行うことにより、コスト削減とサービス向上を同時に実現する管理手法を指します。
例えば、公共施設の点検や修繕を一元的に管理することによって、重複作業を減らしたり、計画的に修繕したりすることが可能になります。
また、公共財がどの程度維持できるのかを可視化することによって、それに要する予算を平準化したり、更新時期や新規投資についても明確にしたりすることが可能です。さらに、稼働率の低い施設を統廃合し、コストダウンと利便性向上にも繋がることが期待できます。

ただ、やみくもにFMを進めようとするのではなく、現時点における公共施設の使用状況や老朽化、維持管理コストなどの情報を正確に把握していなくてはなりません。また単にコスト削減だけに目を向けてしまうと、使い勝手が悪くなったり、利用満足度が悪くなったりして、公共財としての価値が極端に下がってしまいます。

したがって、FMを推進しようとするならば、施設の効率化と利用者視点の両立が求められますし、地域住民との丁寧な対話と合意形成が不可欠でしょう。

FMの具体的な成功例

長野県飯田市では、市内に同じような公共施設が存在し、また老朽化していたので、維持費がかさんでおりました。
そこでFMを導入し、全ての公共施設の調査および見える化を図り、それを「施設白書」にまとめそしてました。
そして施設の統廃合を進めた結果、維持管理コスト20%の削減となったのです。
また、東京都港区では、施設を建設から廃止まで、いわゆるライフサイクル全体で評価し、かつ長寿命計画を策定した結果、改築費を平均30%圧縮することに繋がるという成果を見ました。

翻って神奈川県下でも、例えば相模原市は市内公共施設全体につき、その耐用年数や減価償却等を「施設カルテ」として見える化することによって、年間2~3億円規模の更新費用を下げることに成功しております。

その他、様々な成功事例(および失敗事例)がありますので、我が街をさらに豊かなものに導くため、その人口構・施設配置・財政状況に基づいた、独自のFM導入策を描いていくべきと考えます。

元衆議院・参議院議員:水戸 まさし

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