大震災に脆弱な通信網、もし携帯電話が使えなくなったら…
去る8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。
また翌日9日の夜には、神奈川県西部で最大震度5弱を観測する強い地震がありました。
両者における地震の関連性はないと言うものの、南海トラフ地震に関する予兆ではないかとの憶測が飛び交う昨今です。
ところで東日本大震災から早13年が経過しました。
しかし未だかつて、私たちの記憶にあるのが、その時の停電と通信障害の事案ではないでしょうか。
その時も信号が消え、また街々のコインパークだって機能せず、携帯電話も全く機能せず、車を預けた場所から脱する時も散々な目に遭いました。
必ず30年以内には起こるであろう南海トラフ地震
想像すらしたくないのですが、東日本大震災を上回る通信途絶が見込まれます。固定電話930万回(東日本大震災時は190万回)が不通となり、東海や四国などでは基地局の8割近くが停波する見通しです。
今では衛星回線がかなり普及して、自治体間での専用回線の整備率が8割にまで達しておりますが、自治体のみならず災害拠点病院などにもネットワークを広げていくできです。
政府は災害拠点病院の指定要件として、衛星電話の保有を加えましたが、まだ道半ばと言っても過言ではありません。
各通信会社も技術力を駆使して基地局を開発中
各通信会社も技術力を駆使して、大災害時の通信途絶に備えるべく、「船舶型基地局」や「空飛ぶ基地局」を開発中です。
特に「空飛ぶ基地局」は、太陽電池を電力源にして、上空20キロメートルの成層圏を数か月間飛び続けることを想定しております。これで、半径100キロメートルの通信をカバーできることになれば、災害時の救世主的な存在となり得ましょう。
今も昔も、適切な通信手段があれば効果的な人命救助を行うことが可能です。
大災害が起きれば必ず現場は混乱します。したがって、こうした通信回線の強靭化はもとより、非常時の通信手段を使いこなせる人材養成も同時に進めていくべきと思えます。