北と南との機能を分化すべき時
藤沢市を俯瞰した場合、敢えて南と北に分けるならば、東海道線あるいは、国道1号線を挟んでのことになるでしょうか。
そして、多くの市民は南部の方が北部に比べて恵まれているという感覚を持つのではないでしょうか・・・。
しかし格差とは、単に差があることではありません。
その差が固定化されてしまい、選択の余地が益々狭くなっていくことに問題があります。
優位と言われがちな南部だって、津波災害のリスクが高いし、道幅も狭く、また観光客の増加による市民生活への影響が顕在化しております。
したがって格差解消と言うのならば、南の持つブランド力と、北の持つ潜在力をどう結び付け、それらを融合させていくのかが問われていくと思われます。

人口構造的に偏っている北と南
南部では子育て世代の流入が比較的続いている一方、北部では空き家率が上昇傾向にあります。
これはすなわち、北部エリアでは高齢化が進んで、街そのものの活力が失われつつあることを意味します。
そこで、かつては栄えていた長後エリアを中心として、重点的な子育て支援策を展開すべき時です。
拠点としての子育て支援センターはじめ、空き店舗を利用した子育てサロンの設置を進め、そして専門的な知識を持つ「保育コンシェルジェ」を常時配置させ、さらに子育て世帯入居時の小規模改修補助も行うことで、子育て世代へのアプローチを強化します。
また、「子育てサポーター役」としての一翼を地元の高齢者や商店に担ってもらい、この地域全体として、子育て支援や、立ち寄り・見守り機能の充実化を図っていくべきでしょう。

北と南の利便性や注目度の差
全国的知名度のある「湘南海岸」。
多くの観光客は、比較的交通の利便性も良い南部を目ざしてやってきます。
一方、北部は多くの農地が集積し、広い土地利用が可能でもあるにかかわらず、その特性を活かしきれていません。
そこで、都市型農業を推進しつつ、それを観光とも結びつけ、そして豊かに広がる自然との調和も図れるよう、その起爆剤として、道の駅「湘南クロスロード」を提唱します。
これを藤沢市単独で開設するのではなく、北部エリアは丁度、近隣自治体(寒川・海老名・綾瀬)との結節点になるので、これらを巻き込んだ広域連携型の施設とします。
農業・商業・物流・観光および防災など、各自治体の強みを活かせるような拠点として整備すること。
そして、その全体的なプロデュースとブランド化を藤沢市が主体的に担い、近隣都市との連携を図っていきます。
南部に広がる構造的な問題
これを一言で言えば、観光と住民生活との摩擦の問題です。
南部では観光客の増加に伴い、交通渋滞やゴミ、騒音の増大のみならず、いわゆる「観光地価格」という形で、周辺地域の物価の上昇が散見されます。
まずは観光スポットの混雑時間帯を明確化して、それ以外の時間帯の来訪者に特典を付与する仕組みを作ります。
また食・農・健康・文化をパッケージにした体験型観光を励行しつつ(シャトルバスの運行もセットで)、南部から北部へ誘導できるよう周遊ルートを設定します。
またゴミ持ち帰りルールの徹底化を図りつつ、生活環境を保全するために一般料金と観光料金との「二重価格制度」を導入したらいかがでしょう。
そして、その差額部分を「観光協力金」として位置づけ、受入れ環境を維持するための基金として活用していきます。

元衆議院・参議院議員:水戸 まさし