ガストロノミーとは「食事と文化を考察すること」
以前ガストロノミーについて触れたことがあると思いますが改めてご紹介しますと、これはフランス語で「食事と文化を考察すること」を指す言葉です。遡ること19世紀、当時フランスにおいて美食文化が高まったこともあり、その後「旅と食」を楽しんでいこうとする書物が数多く出版されました。
そして20世紀に入り、飛躍的な交通手段の発展普及とともに、フランスのみならずヨーロッパ全域にわたって、地元ワインや郷土料理といった食の魅力を観光の中心に据える「ガストロノミーツーリズム」が地元産業の振興発展に寄与するようになります。
その代表格が、スペイン・バスク地方の小さな街、サンセバスチャンです。
豊富な魚介と肉類が生み出す「バスク料理」は有名ですが、ワインのみならず地ビールの魅力を打ち出しつつ、今なお美食都市として世界中の観光客をひきつけています。
温泉ガストロノミーツーリズム推進機構
わが国では2016年10月に、全日空(ANA)を中心となって、食文化のみならず温泉を加えた日本の魅力を内外ともに広く知らしめようという形で機構が設立されました。
「温泉ガストロノミーツーリズム推進機構」という名称ですが、早速ここに多くの自治体が関心を寄せ、「おらが街」起こしのための一大イベントが毎年、各都市で開催され現在に至っております。
https://onsen-gastronomy.com/eventinfo/
藤沢ガストロノミーツーリズム
藤沢もこの動きを察知し、民間グループが中心となって2020年2月に第1回目のイベントを、江の島を起点として開催。
ただし藤沢市内には温泉地がありませんので、何より市内で収穫された農産品や、生産された肉類などを中心に食を味わいつつ、また湘南の景観を楽しんでもらおうとする企画でした。
その後、コロナ禍を挟んでの開催となりましたが、今回は4回目を数えます。
藤沢ガストロノミーツーリズム【内容】
日時は春爛漫の4月20日(日)。
コースは善行駅前をスタートし、市内7か所の拠点に立ち寄ってもらい、最終ゴールを辻堂海浜公園とした約8キロ程度のコースを設定しております。
応募人数は200人限定として、それに見合った市内の食材を調達しつつ、市内の魅力スポットに立ち寄ってもらおうという内容でして、さらに体験ということも加味してビーチクリーンで拾ったマイクロプラを使ったワークショップや、電動キックボードの試乗などにもチャレンジしてもらう予定です。
事務局を湘南工科大学内に設置し、これから募集開始するのですが、私自身、前回企画に参加して驚いたことは、参加者が統計的に3分の1は藤沢市内、3分の1は神奈川県内、残りの3分の1は関東周辺及びその他地域でして、遠くは山形や四国から参加されている人もいて、この一連のイベントの有用性が存分に発揮されているという印象でした。
藤沢発ブランディングを確立
ところで、せっかく回を重ねて行うのですから、こうしたイベントを一過性のものに留まらせるのではなく、地元の地産地消さることながら、地域の食文化や和の伝統をどう守っていくべきか、重要なポイントだと思います。
それには昨今のグローバリズムの中で、様々な観光資源をマネジメントし、ご当地ならではの魅力をアピールできる人材の育成や確保は必要ですし、料理を提供してくれる人やお店のネットワークの基盤作りや、そのポテンシャルを活かす仕組み作りもすべきでしょう。
何より藤沢発というブランディングを進め、そのブランド力も高めていかなければなりません。
こうした思いを抱きつつ、第4回目にチャレンジしていきます!
元衆議院議員・元参議院議員:水戸まさし