地域通貨の有効性を最大限発揮すべし
なぜ今さら、地域通貨なのか・・・
ご存知の通り、地域通貨とは特定のエリアだけで使うことが出来る独自の通貨、あるいはポイントの仕組みのことです。
円と同じように、「支払い」に使うことができますが、最大の特徴はエリア外では使えない点にあります。
地域通貨の由来は古く、世界恐慌における1930年代初頭にヨーロッパで芽生えました。
我が国の自治体レベルでも、1990年代以降、大中小合わせ650を超える地域通貨が採用されております。
確かに今更ながらの感がするかも知れません。
しかし、やはり昨今の少子高齢化に伴う人口減少や、物価高、そしてネット通販の普及も相俟って、地元の商店街は疲弊し、地域経済は次第に活力を失っております。
今一度、地域通貨の有用性を最大限発揮させて、エリア内で経済を循環させていく必要があります。

地域通貨は決済するだけの手段ではない!
通貨と聞くと、物を買ったり、サービスを利用したりする際に、支払う(決済する)ものと捉えがちです。
そもそも地域通貨は大きく、「現金交換型」と「信用発行型」の2つに分類され、前者は地域限定の商品券みたいなもので、例えば1,000円を支払うと、1,000円分の地域通貨券を受け取ることができます。
他方、後者は現金を介在させず、ボランティア活動や地域貢献活動を行った人に対し、感謝の証として地域通貨を発行する仕組みです。
いずれにしても、地域通貨は「地域への貢献そのものに価値がある」という考え方を形にした手段ですので、この仕組みによって、人と人とのつながりが生まれ、地域の商店が支えられ、地域そのものが持続可能になれば万々歳。
いわゆるこれは、「地域の自立と活力を支える、大切な社会的基盤」と言えましょう。
デジタルの時代だからこそ、地域通貨の有効性が高い
従来の紙による地域通貨にはいくつかの大きな課題がありました。
それは、
② 利用状況がしっかり把握できない
③ 使い勝手の悪さ、etcです。
しかし、キャッシュレス社会が当たり前になりますと、スマホやパソコンを通じての物やサービスの支払いが日常的となり、このシステムを地域通貨にも導入しようとする機運が高まりました。

何故ならデジタル通貨は、発行と管理が極めて容易であるからです。
印刷や保管も不要であり、必要な時に必要な分だけ発行することが可能でして、これにより行政コストは大幅に削減されます。また、利用状況が可視化できますと、どの地域で、どの業種で、どれだけ使われたのかが把握することが出来ます。
さらに、スマホ1つで支払いが可能となり、現金も紙も持ち歩く必要がありませんので、各店舗にとっても、管理コストを大幅に軽減することが可能です。
2020年以降、新型コロナウイルス感染症への経済対策が求められる中、
② 確実に地域経済に循環し
③ 管理コストが低い
という、三条件を満たす手段とし、日本全国でデジタル地域通貨が急速に普及していったのでした。
遅い?否、遅くない!「藤ペイ」の導入促進を
昨年の11月時点で、既に226の自治体がデジタル地域通貨を採用しております。
藤沢市は、年間約7800億円に及ぶ商業規模を有し、湘南エリアの中核都市として、高い経済力を誇る街です。
ですから、地域経済を回すための有効な手段として、今からでもデジタル地域通貨を採用することは遅くはありません。
私はここで、藤沢市独自のシステム「藤ペイ」を提唱したいと思います。
これは、まず藤沢市が地域専用のアプリを開発して、市民それぞれにスマホにダウンロードしてもらいます。
各市内店舗店に提示されたQRコードを読み取ることで決済は終えることができ、また市内の金融機関やJA、コンビニのATMやインターネットバンキングから、チャージ可能とします。
加えて、利用開始時やその都度の支払い時に対しての「ポイント還元制」も採り入れます。

加盟した各店舗に対しては、自分たちの売り上げを現金化するために決済手数料が掛かりますが、それについては導入初期の3年間は無料。
もちろん前述した利用者の決済時のみならず、ボランティアの参加報酬などにおける「ポイント還元」も、行政が負担する仕組みです。要は、急速な普及を市内全体に図ることによって、事業者の売上向上のみならず、雇用の維持、ひいては税収増加にまで繋がるよう、最大限の経済波及効果を求めていくべきではないでしょうか。
スマホを利用しない場合のカード型地域通貨
理想は、全ての市民が平等にキャッシュレス決済を利用できる環境を作り、市内消費の循環を促進することです。
そこでスマホを使わない市民を対象に、QRコードが印字されている専用カードを配布します。
市内コンビニに設置されているATMなどに現金を投入することでチャージは完了。
また市内金融機関のATMを使って、自分の口座から直接チャージすることも可能にします。

各店舗側はレジの際、お客様カードに印字されたQRコードを読み取ることで、決済終了です。
なお、カード発行(再発行も)に関しては、市役所や各市民センター、市内金融機関において本人確認の上で交付することにします。このように、カード型地域通貨は単なる決済手段ではなく、高齢者を含めた全ての市民を地域経済の循環に参加してもらうことで、市内消費を促し、地域商業の活性化をもたらす重要なツールとなりましょう。
元衆議院・参議院議員:水戸 まさし