湘南藤沢地方卸売市場を大転換する時!?

地域問題

稼げる藤沢市を目指す!
湘南藤沢地方卸売市場を大転換する時がやってきた!?

現状維持の市場では、行き詰まりは必至

藤沢では、昭和56年に中央卸売市場としてスタートしたものの、

POINT① 産地直送
② 物流網の発達
③ 冷蔵技術の進化
④ 人口減少
⑤ 消費スタイルの変化

等の波にさらされ、平成19年に地方卸売市場に格下げとなりました。
それ以来、市場全体の運営を「湘南青果株式会社」に委ねるという「公設民営化」方式を採用し、市はそこから賃貸料を得ているのが実態です。

現在、市場の本来的な機能を持たせつつ、場内には

Tips① 仲卸業者
② 食品物流会社
③ 倉庫利用会社

などが入居しておりますが、時代の流れが益々、市場経営をジリ貧にさせるであろうことが容易に予測されます。
それに加えて立地的にも利便性が高いとは言えず、かつ従来通りの「通過型施設」では客足が遠のくばかりで、ここに少子高齢化が加味されると、利用率は一層減少していくでありましょう。

そして今後、施設の老朽化が相俟って、大規模改修、耐震補強、建替えなど数十億円規模でのコストが、市に重くのしかかってきます。この5.4haの面積を擁する公共インフラについて、市の財政負担を抑えつつ、どのように転換を図っていくべきでしょうか・・・、まさに知恵の出しどころです。

市場の機能を縮小して高度化する

現在の市場を俯瞰した場合、「残す機能」「無くす機能」を明確に分けるべきでしょう。
特に生鮮流通や冷蔵保存の機能は、災害時も含め、地域インフラとして一定の価値と役割をもっていると思われます。
その一方で、老朽化し、利用率も低く、人の滞在に適さない建物や機能については、思い切った用途転換や、あるいは撤去を進めていく必要があります。

中には市場内でなくても営業可能な店舗が散見されますので、この場所でしか出来ない役割を絞り込むべきと考えます。
例えば、

POINT① 超低温物流
② 早朝配送
③ 地場農産物の集約
④ 加工・配送の一体化
⑤ 災害備蓄物流

などは必須です。また転出を余儀なくされる業者に対しては、

Tips① 移転支援はじめ
② キッチンカー転換や
③ EC化、加工化、飲食化

などに向けての支援をすべきでしょう。

そして卸売機能しか持たない今の市場に対して、

POINT① 食のテーマパーク機能
② 観光交流機能
③ 子育て支援機能
④ 高齢者健康支援機能
⑤ 地産地消機能
⑥ ペット共生空間機能
⑦ 地域防災拠点機能

など、色々な機能を複合化していくことが求められます。
行政自身、エリアマネージャーとして全体戦略を描いた上で、物流事業者のみならず、観光やイベント、飲食経営や農業団体、あるいは大学やIT企業などを束ねた「コンソーシアム型」組織を立ち上げ、公共の価値と収益性を両立させるプロデューサーの役割を担っていくべきと考えます。

湘南フードリンクin FUJISAWAの創設

かつて市場は仕入れの場所でしたが、市場再生を考えるならば、ここで「誰が、どんな時間を過ごせるか」に着目していかなければなりません。
すなわち市場が市民や観光客らにとって、「わざわざ行きたくなる場所」とすることです。
そのためには1日の中でも、朝・昼・晩と時間帯を区分けしたり、また平日と週末との運営形態を変えたりしていく必要があります。

また限られた空間ですので、平屋構造から一部階層化へと転換していくべきでしょう。例えば

Tips① 駐車場
② 複合商業施設
③ フードコート
④ 交流施設
⑤ コワーキングスペース

などは、二層・三層化した方が、土地効率は高まります。
なお前述した既存事業者でも、

POINT① 共同配送
② 共同冷蔵設備
③ 省スペース化
④ DX化

などを進めながら、事業継続の可能性を高めていくべきです。

平日の朝から夕方にかけては、子育て中の親子、元気な高齢者、またペット連れの人たちが立ち寄る。
そして週末になれば、若い世代や家族連れ、サラリーマン、観光客が来場し、食べ・遊び・交流し・滞在する。
つまり、その時々の客層をターゲットにしながら店舗展開やイベント開催を手掛けていく必要があります。
例えば、日常の滞在型店舗として、

Tips① ベーカリカフェ
② キッズカフェ
③ ドッグカフェ
④ 地産野菜レストラン
⑤ クラフトジェラート店
⑥ 湘南地魚食堂
⑦ テラス型飲食店

などが考えられます。また、市場は本来的に朝に強いので、時間帯によって、規格外野菜や食品アウトレットを提供するのも良いでしょう。

そして週末には、音楽イベントやペットイベント、アート展、海鮮バーベキューやクラフトビール、キッチンカー食フェス、ナイトマーケットなどを組み合わせて、賑わいをさらに演出できるような工夫が必要です。
このように日常利用と週末利用を分けながら、かつ、車利用を前提とした全体図を描いていくことが求められます。

市の財政負担を抑え、収益向上を目指す

現在の公設民営方式は、行政が直接的な運営リスクを負わず、家賃収入を得るというスキームになっております。
しかしこの方式は、運営企業が市場内で成功させて利益を上げても、市側の果実は限定的であることの裏返しです。
これでは市場は単なる「貸しビル」に近い状態に留まり、他方では、老朽化対策として莫大なコストを、市自らが負担しなければなりません。
さらに市場再生を本格化させれば、前述した様々な機能を満たすための新たな設備投資も必要となります。

民間資本や活力の導入については、以前から色々と触れてきましたが、行政サイドの初期投資を最低限に抑えるための資金調達として、

POINT① 定期借地権方式
② パークPFI型
③ SPC方式
④ 収益連動型コンセッション

などが考えられます。要は、行政側は

Tips① 土地
② 防災
③ 周辺インフラ

を担い、民間側は

Tips① 飲食
② イベント
③ 空間演出
④ 集客を担うもの

として、その利益の一部が継続的に市へ還元される構造を作るべきでしょう。

定期借地権方式において、固定賃料だけでなく、年間売上に応じた歩合制の賃料契約にするとか、パークPFI型を導入した場合には、ネーミングライツはもとより、デジタルサイネージを活用した広告収益の一部を市へ利益還元させていく方式も検討すべきです。

また、SPC方式は市自体が株主となりますので、市場が成功すればそこから配当を得ることができます。
さらに収益連動型コンセッションは、そもそも運営権を民間へ渡す代わりに、一部の収益を公共へ戻す仕組みですので、民間が努力して人を呼び込めば呼び込むほど市の財政も潤う・・・。
こうした手法を組み合わせることによって、市が巨額の初期投資を背負わずとも、民間資金を呼び込みながら、市場全体を人の流れと民間収益で回せる構造にしていくことがベストと考えられます。

元衆議院・参議院議員:水戸 まさし

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