体験格差解消のための仕組み作り

こども

体験格差は関り合いの程度の差

点から線へと繋げていくためには・・・

日々過ごす中で、学ぶこと、挑戦すること、出会うこと、あるいは自らの可能性に気付くことなどを通じて、人生の幅が広がっていきます。
「経験を経てからこそ」ということになりますが、しかし、ここに至るまでのハードルがあるのは確かです。
したがって、接点が持てない層や、接点を持とうとしない層、すなわち繋がらない層に対するアプローチ如何によって、体験格差は縮まっていくのではないかと思います。

それでは1人でも多く、偶然でも良いから繋がる仕組みを作っていくにはどうしたら宜しいでしょうか・・・。
そのためには先ず、入り口を再設計することから始めます。
従来の行政のような待ちの姿勢ではなく、行政自らが出向く姿勢の徹底化を図り、他方、相談したり、参加したりすること自体が負担となってしまう人には、心理的なハードルを下げるために、「たまたま関われる場所」を提供していきます。

そして点ではなく線で支える受け皿も必要です。
小さな関り(点)が継続することで、徐々に外部との接点が生まれ、次のステップ(線)へと繋がっていきます。
したがって教育、福祉、就労、地域活動などにおいては、一人ひとりの状況に応じて緩やかにつながる仕組みを、生活の中に丁寧に埋め込んでいくべきでしょう。

オンライン接続から体験へとステップ

不登校・引きこもり・孤立状態などの子どもたちに対する支援は、これまで主に民間のフリースクールや居場所作りを求める団体に委ねられてきました。
しかし現実には、「来られる子ども」だけに支援が届き、「来られない子どもたち」には、おざなりになってしまう傾向があります。

そこで行政サイドとして、学校や教育委員会との連携により、対象者を的確に捉え、支援の網から漏れない状態を作ります。
そして保護者を起点に、オンラインで無理のない形(雑談や簡単な応答、チャット)で子どもたちと繋がり、次のステップとして顔出し不要で、かつ短時間での操作内容を提示して、参加できたという成功体験を積み重ねてもらいます。
さらに双方の信頼関係が築かれた段階で、地域での居場所や福祉的な支援へと接点を繋いで、社会との関りを回復させていきます。

もちろん事業の実効性も確認していく必要がありますので、対象者とのオンライン接続率、初回の体験参加率や継続参加率、対面移行率などの進捗過程を数値的に把握していきます。
なお、ここでは何より、体験の機会を通じての、子どもたちの自己肯定感や社会との接点を繋ぐことが第一です。
したがって学校復帰だけを目的とせず、学校に行かずとも学べる選択肢を増やすことに重きを置いていくべきと考えます。

リスキリングを生活基盤に添える

長い人生、学びは一度きりではなく、何度でも繰り返せるものです。
リスキリングはまさに生活の上で重視すべきでしょうが、「学べる人」と「学べない人」の格差が広がっていくのは何故でしょうか。それは能力や意欲の差ではなく、「やろうと思えばできる状態にあるか否か」、すなわち実現可能性の差が体験格差をもたらす要因と言っても過言ではありません。

そこで行政がやるべき役割は、単に「学びを提供」するのではなく、「学んだ成果を現場に繋ぐこと」だと思います。
そのためには第一に、「ふじさわ・スキルバンク」を立ち上げて、市民がどのようなスキルを身に着けたかを整理・登録する仕組みを整えます。
そして第二に、市内の企業や商店街、NPO、あるいは行政内部の業務において、短期間かつ短時間で参加できるプロジェクトを用意しておき、身に着けたスキルを「試す場」「関わる場」として、小さな成功体験を積んでもらいます。
さらに第三に、実践を通じて一定の成果を上げられた場合には、「ふじさわ・スキルマッチング」として、フルタイム雇用のみならず、副業の機会の提供や継続的な業務委託にまで発展させられるよう取り計らいます。

このように「学ぶ⇒試す⇒仕事になる」という流れを作ることが、リスキリングの本質である「役割の獲得」へと繋がっていくのです。
リスキリング体験が、自然に生活や仕事に流れ込む環境を設計することこそが、接続・接触の機会を増やし、格差解消の礎となることでしょう。

モンテッソーリ教育を家庭内へ

2~4歳の幼児が成長する上で、身に着けていくであろう「非認知能力」
多くの保護者は、子どもたちへの強い関心と愛情をもって、出来ることならその能力を最大限に伸ばしてあげたいと願っております。しかし、ある家庭では日常の中で、子どもに選ばせ、考えさせ、挑戦させるといった関わりが自然にできている一方、別の家庭では、「何をすれば良いか分からない」、「時間的な余裕がない」など、あくまで受動的な関わりに留まっています。
そもそも体験格差の本質は、まさにこの「関わりの程度の差」であり、それがひいては能力格差に繋がっていくものと思われます。

それではモンテッソーリ的な関わりを「家庭の日常」にどう採り入れていけば良いのでしょうか。
家庭環境にかかわらず、全ての親子が必ず訪れる場、例えば乳幼児健診や予防接種、小児科受診という場においては必ず、3分程度の親子体験を実施する仕組みを組み込みます。
もちろん内容は,

POINT① シンプル、
② 1日1つの具体的行動、
③ 家庭で即実践できるもの

として、これを毎週、モンテッソーリ教育の指導要綱に則って、各家庭向けに、母子手帳アプリやLINEを活用しながら提示していきます。

この簡易な方法を繰り返すことにより、子どもが日々得られる「小さな挑戦と成功体験」の量が底上げされて、非認知能力の差が縮小していくことでしょう。
子どもに「選ばせる・やらせる・待つ・認める」というモンテッソーリ教育の導入は、家庭内での体験が自然に生まれる機会となって、体験格差の解消に寄与していくのです。

未来への提案

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元衆議院・参議院議員:水戸 まさし

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