藤沢市が抱える問題 ①

令和5年

増え続ける『空き家』 人口減少時代に合わせた対策を!

◆藤沢市の現状と課題

2018年時点の数値ですが、市内の空き家総数は22,410件、このうち賃貸
用または売却用の住宅を除いた居住
目的のない空き家は5,250件を占めます。倒壊の可能性のある建物や、治安や衛生上有害となる空き家については2015年から施行されている「空き家対策特別措置法」によって、「特定空き家」の指定がされるようになりました。
市内でこの「特定空き家」の指定を受けた建物は5件に留まっており、指定までの道のりが平坦でないことはよく分かります。

◆特定空き家の指定と行政手続き

空き家であっても個人所有の財産ですので、むやみに行政が介入することは出来ません。しかし、近隣に具体的な被害が発生しており、かつ行政から再三再四にわたり所有者に対して警告したのにもかかわらず改善されない場合は、強制的に解体することが可能です。いわゆる行政執行と言われるものですが、それには「特定空き家」の指定をした以降、
行政による①助言→②指導→③勧告→④命令という段階を経ることになります。

命令を受けても改善しなければ、50万円の罰金が科せられ、所有者負担で解体に進むことになります。
ただ藤沢市内で、実際に行政執行により解体処理された空き家数はゼロ。
なかなか公権力は行使できません。

◆放置している原因と対策の強化

そもそも何故、所有者は空き家を放置しているのでしょう。大まかに言うと①固定資産税の軽減措置がある、②解体費用の負担が大きい、③相続がまとまらない、④解体後の利用が難しいetc、が挙げられます。
先ず放置すること自体を問うならば、税の軽減措置は撤廃すべきです。
その一方で、解体補助を出しつつ、空き家を転用した場合の数年間、税の優遇策を講じて円滑に進められるよう取り計らわなければなりません。

◆今後の空き家対策の展望

市内における不良物件での空き家の多い地区は、御所見地区はじめ、長後や六会地区の順となっております。
藤沢は観光都市でもあり、また文化都市でもあります。こうした街の特性を活かした空き家対策を考える必要があります。
例えば、空き家を借り上げ修を施し、シェアルームや民泊など短期滞在型の建物にしたり、あるいは、地域住民が自由に利用できるカフェや地域交流スペースに転用したりするのも一考です。
さらに子供たちの学びの場や学童のスペース、いわゆる藤沢版「寺子屋」などの活用に官民が一体なって取り組むべきでしょう。

 

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