ゴミの減量化を追求していこう!

ゴミ問題

藤沢市の取り組みとして

ご案内のとおり、藤沢市ではゴミの減量化に向け、平成19年4月から各家庭に対する戸別収集を実施しました。
またそれ以降10月からは、家庭ごみ袋の有料化がスタートしております。
どの自治体でも、一般ゴミの処理にそれ相当の予算を費やしておりますが、やはり注視しなければならないのは、ゴミ処理のコストと減量化との関係ではないでしょうか。
今回は、とりわけゴミ収集方式について論じてみましょう。

神奈川県内の状況は

県内では藤沢市が真っ先に戸別収集方式を導入しました。
また今年度からはさらに進めて、段ボールや新聞・広告、あるいは古布類など4品目についても、戸別収集を始めております。確かに、日中はひっきりなしにゴミ収集運搬車がぐるぐる回っている光景を目の当たりにしますね。

その他、鎌倉市や茅ヶ崎市および平塚市、厚木市などでは可燃ごみの戸別収集を行っおり、徐々に市内全域に広げていくようです。
これら以外の自治体は未だ計画段階のところも多く、従来の集積所方式を採用しております。
ここで問うべきは、戸別方式と集積所方式、果たしてどちらが減量化にとってベターな選択であるかということ。
これにつき、以下、費用対効果の面も含めて検討してみたいと思います。

集積所方式を採用する利点および欠点

従来より、行政がゴミ収集をする場合には、地域の住民が決められた場所にゴミを出し、そこからゴミ収集車で回収する仕組みが採られていました。
いわゆる集積所方式と言われるもので、横浜市など大きな自治体を筆頭に、いかに効率良く(コストをなるべく抑える)収集できるかが問われていました。
これは地域住民にとっても、一定の時間帯に出せば良いので都合良く、また町内会単位で当番を決めて管理することで、地域の連帯感も生まれるメリットがあります。

ただその一方、決められた日でないときにゴミを出すルール違反や、他の地域から不法投棄が起こりやすい弊害もあります。
また、生ごみなどの悪臭や、カラスやネコなどの野生の動物に荒らされるといった衛生面での問題もしばしば発生しております。
そしてそれらのために、ゴミ置き場の清掃や管理を徹底しなければならないといった、町内会に過度の負担が課せられているのも事実です。

戸別収集にしたらどうなの?

自宅の前に家庭ごみを出すことになれば、その管理責任はその家庭になります。
決められた時間帯に決められた種類のゴミだけを出しておけば回収してくれるので、わざわざ集積所まで持って行く手間は省けますので、高齢者や障害者とっても優しい回収方式とも言えます。
さらに分別やリサイクルへの住民意識の向上にも繋がるでしょう。

ただ他方、回収するコスト面も同時に考えなければなりません。
戸別方式を導入しようとすれば、作業員や車両は大幅に増やす必要もありますし、とりわけ住宅密集地では時間帯による交通制限もあって、効率的な回収が難しくなります。
またシステムの導入や住民への周知などの初期投資も相当掛かります。
ここにあくまでも試算レベルですが、40万人都市を想定し、ゴミ収集頻度や住居構成(戸建てか集合住宅か)、あるいは回収ゴミの種類を一定にし、その上で集積所方式と戸別方式を比較した場合、財政的な負担は戸別方式の方が年間1.4~2億円程度のコスト増になるようです。

戸別方式か集積所方式か、どちらを採用すべきか

前述のとおり、どちらの方式にも長短があるのはお分かりでしょう。
ただ、コストは増えるけれど、それ以外の住民の満足度に対するインパクトも同時に考慮していかなければなりません。
ゴミの削減効果を見れば、やはり戸別方式の方が10~15%程度期待できるとの試算もありますし、また環境や衛生面、景観や美化の面、あるいはトラブルの減少等、総合的な観点からして、戸別方式の方が満足度が高いと言われております。

ただいずれの方式にしろ、貴重な税金が使われていますので、特に戸別方式を採用した場合、その費用と効率性の面について厳しいチェックを求めていくべきです。
より市民意識を向上を図りつつ、分別およびリサイクルを徹底化し、ひいてはゴミの減量とコスト削減を同時に進めていくことが市の基本的な姿勢でなければならないと思います。

元衆議院・参議院議員:水戸 まさし

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