安心安全な社会を築く
日常生活における防災や防犯意識をさらに高めるとともに、利便性も追求します。
地震対策
東日本大震災では広範囲にわたり、停電と通信障害が生じました。必ず30年以内には起こるであろう南海トラフ地震および首都直下型地震。これらの地震が発生した場合には、少なくとも固定電話930万回(東日本大震災時は190万回)が不通となり、東海や四国などでは基地局の8割近くが停波する見通しです。
しかしこれは何も大地震に限ったことではなく、観測史上最強クラスと言われた2019年の台風15号では、千葉県内で停電が2週間も続き、基地局約2500局が最長10日間に亘って、機能停止状態でした。
衛星回線による自治体間での専用回線を充実化し、災害拠点病院などにもネットワークを広げていかねばなりません。そのため、各通信会社の技術力を高めつつ官民一体となって、大災害時の通信途絶に備えるべく、「船舶型基地局」や「空飛ぶ基地局」を設置する必要があります。また、こうした通信回線の強靭化はもとより、非常時の通信手段を使いこなせる人材養成も同時に進めていくべきです。
防災アプリ
「天災は忘れた頃にやってくる!」そのためには日頃から、災害に対する備えや意識を持ち続けることが肝要です。東日本大震災以降、津波の被害に備えて、各自治体が「逃げ地図」作りの作成に着手しました。
「逃げ地図」とは、現場の状況を正確に把握しつつ、自分の足で歩いてみて、時間を区切ってどこまで逃げれるか計測する。昼間と夜、また季節によっても周囲の環境は変化しますので、それらもしっかり踏まえて、逃げれるための最短ルートを地図上に表したものです。
今後はこれをデータベースにして、スマホの地図上にアプリとして表示できるようにする。災害が起きた場合に瞬時に、このアプリを開けば、逃げる最短のルートと所要時間などが一目で分かるシステムを早期に開発すべきです。また風水害による河川の氾濫や土砂崩れ、地すべり等の被害を想定し、土地の高低や、土壌内容をデータとしてインプットしておき、それを雨量とリンクさせて被害状況をあらかじめシュミレート(予測)化していくべきでしょう。
MaaSの利活用
藤沢市内の現状をご覧下さい。中心市街地の交通渋滞は慢性化していると言っても過言ではなく、渋滞の緩和、解消は市民の悲願です。しかし、莫大な費用をかけて新たな道路を建設することは不可能ですので、既存の交通体系を維持しながら、いかにして渋滞区間を少なくしていくか、そこにデジタルの技術が求められます。
Maas(マース)とは、mobility as a service のこと。車を利用する多くの市民・町民が、どの時間帯にどのルートを通るのか、それらをつぶさに集計し、データとして解析して、敢えて渋滞を回避するルートを設定する。どこかに出掛けたい時は、気軽にタクシーを予約し、また公共の交通機関を利用し、渋滞を避けて目的地まで行き、そして利用料金も電子決済で済ませる、そんな一連のサービスです。
デジタル庁が発足して早3年が経ちます。市民生活の利便性と快適性を高められるよう、先ずは国と藤沢や寒川が連携を取ってモデル地区としての指定を受けつつ、デジタル技術力の向上に努める必要があります。
フードロス対策
ここ数年、我が国1年間のフード(食品)ロス量(売れ残りや食べ残しなど、本来食べられるはずの食品が廃棄される量)は、640万トン前後で推移しております。これは毎日、国民一人当たりのお茶わん1杯分の食べ物が捨てられている計算になります。
フードロスが大量に出るということは、すなわち深刻な食料不足を招くことに直結します。また日本では食品廃棄物を焼却処分しますが、世界の多くは埋め立てです。食品を埋め立てたときに発生するメタンガスは、二酸化炭素の約25倍の温室効果があるとされ、気候変動の一因になります。さらに、生産や流通過程におけるエネルギーや人的投入など、多くのコストが無駄になるロスを極力排除せねばなりません。
現状、フードロス全体の55%が小売店や飲食店からでる事業系であり、残りの45%は一般家庭から出るものです。既に「食品ロス推進法」がスタートしておりますが、その実効性を高めるために税金を安くしたり、その反対で罰則を科したり、食品ロス防止への取組みに対してインセンティブ(動機付け)を与える工夫は待ったなしです。